
みなさん、こんにちは。いかがお過ごしでしょうか。
外は今日も雨・・・。
なんて、悠長なことを言っている場合ではありません。台風です、台風が来ています。今夜から明日早朝にかけて大雨の恐れがあります。私どもの事務所は低いところにあるので、水がつく可能性があります。今日は事務所を休みにした方がよいのでしょうか。こういう時、組織の長は、一人事務所に残って事務所とともに沈んでゆくのがあるべき姿なのでしょうか。悩ましい限りです。
話は変わりますが、最近私どもの事務所は所員の増員につれて、入れ替わりが激しくなっており、なかなか安定しません。また、コミュニケーション不足で社員のベクトルが揃っていないようにも感じられます。そこで、今回は組織のことについて書いてみたいと思います。
組織のことについて考えていたときに思いついたのが、随分前に読んだ堺屋太一さんの「組織の盛衰」という本のことです。
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この本は平成5年に書かれた本ですが、今読んでも少しも古臭さを感じさせません。豊臣家、帝国陸海軍、日本石炭産業といった巨大組織が栄えて滅びるまでのケーススタディを紹介し、組織が死に至る病として、次の三点を指摘しています。
第一に「機能体の共同体化」、第二は「環境への過剰適応」、そして第三番目は「成功体験への埋没」ということ。このうち解りづらいのが「機能体の共同体化」という考え方です。氏の著作から引用すると、こんな感じです。
「組織には機能体と共同体がある。共同体とは構成員の幸せを追求するための組織であり、機能体とは一つの目的を達成するための組織である。ところが、軍隊とか官庁、企業といった機能体が、「構成員の共同体化する」危機は常にある。
組織には自らの拡大を求め、内部の結束強化を追求する本能的な欲求がある。つまり、組織は組織の作られた目的とは別に組織自体の目的を持つ。そしてそれは構成員の組織人としての幸せ追求にも通じている。従って、組織が確立し、構成員が固定化するようになれば、その地位向上と権限拡大とが、組織全体の目的と化することになり易い。これが強まり慣習化すれば、構成員の間に共同体意識ができあがり、専ら構成員の幸せを求める『構成員共同体』になってしまう。軍隊で言えば『軍人共同体』、会社で言えば『社員共同体』、官庁で言えば『役人天国』である。」
そこで、私どもの組織が「死に至る病」にかかっていないかを検証してみることにしましょう。
まず、解りやすいのが「成功体験への埋没」についてです。
これは、私どもには「ない」と断言してよいでしょう。なぜなら、私どもは未だ嘗て儲かって、儲かってしょうがないなどという業績を挙げたことは一度もないからです。いつもカツカツで運営していて、ちょっと油断すればすぐにお金が足りなくなってしまいます。
次に、「環境への過剰適応」です。
これも「ない」といってよいでしょう。特に最近の税理士業界は変化が激しくなっています。毎年の税制改正は当然として、最近では会計が大きく変化しています。さらに「電子帳簿保存法」への対応や「電子申告」「電子納税」への対応、「書面添付制度」(税務監査証明のようなものです)への対応等、やらなければならないことが目白押しです。現時点でこれらすべてに対応できているかといえば、首を傾げざるを得ない状況です。
最後に、「機能体の共同体化」です。
これは、少し疑わしいように感じます。堺屋氏によれば、「機能組織の共同体化の恐ろしさは組織内部では発見し難いが、それを外形的に捉える尺度が三つある」ということです。
その第一が「年功人事」、第二が「情報の内部秘匿」、第三が「総花主義(集中の不能)」です。
これらについて検証してみます。最初に「情報の内部秘匿」、組織の内部を見せまいとする、特に不祥事や内紛などは、外に見せると構成員全体が批判と軽蔑を受ける恐れがあるので、絶対に秘密にして内部で処理しようとすることです。このことについては、以前私どもの事務所で起きた不祥事について関係するお客様に公開し謝罪して回ったことがありますので、大丈夫だと思います(本当は不祥事などないほうがよいのですが・・・)。
次に、「総花主義(集中の不能)」、機能組織がその本来の目的を達成するためには、臨機に必要な能力(資産、施設機材、人材、情報)を重要な断面(戦場や事業)に集中することが必要となるが、これには当然、重要ではないと判断された部局から不満や苦情が出て、資源を集中させられなくなってしまうことです。これについては、判断が難しいところです。私どもの事務所ではいろいろなことを手がけていますが、どれも中途半端な状態になっていることは否めません。従って、集中はできていないのですが、それは組織が硬直化して集中が不能になっているということではないように思います。とりあえずこの項目は保留としておきましょう。
最後に、「年功人事」です。
私どもの事務所は、かなりの程度年功型人事だと思います。しかし、私どもの事務所の職員採用は中途採用が多いため、純粋な年功人事は不可能です。さらに、私が代表社員となれたのも本物の年功型ではないことの証左でもあります。
このように見てくると、私どもの事務所はまだ健全であるように見えます。
しかし、組織の共同体化は静かに進行していると思います。居心地のよい組織は共同体化が進んでいるとみて間違いないのではないでしょうか。気をつけなければいけませんね。
そして、この原稿を書きながら、私どもの事務所が抱える最大の問題は、組織そのものではなくて、いまだ成功した経験がないということにあるのではないのかということに気づきました。今は組織のことを気にするよりも、私どもの事務所の成功とは何かを明確にして、それにむかって突き進むべき時期にあるのだということがよく解りました。
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