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ずぼらの功罪

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みなさん、こんにちは。いかがお過ごしでしょうか。
急に寒くなってきました。風邪などひいてはおられないでしょうか。私なぞは、油断して暖房器具を出してなかったので、この原稿を書くのにいきなりベンチコート(サッカーの補欠選手がベンチで着てるあれです)をひっぱり出して着ています。さすがに、家の中でベンチコートを着ているとちょっと暑いですね。

さて、今回は「ずぼら」について書いてみたいと思います。
私が自分のことを「ずぼら」だと感じたのは、2週間程前のことです。2週間前の日曜日の朝、私は一人で納豆を作っておりました。納豆を二パックこね回し、充分ねばりが出たところで、付属のダシつゆとからしを入れ、卵は白味をとり除いて卵黄だけ入れ、さらに細かく切ったねぎを入れて完璧に仕上げました。

おいしそうに出来上がった納豆を前に、いつもでしたら茶碗にご飯を軽めによそって、その上に納豆をこんもりのせてガツガツと食べるのが私のスタイルです(普通そうですよね)。しかし、その日はなぜか魔がさしたというべきでしょうか、納豆を作ったお椀にそのままご飯をよそって食べてしまったのです。若干の違和感はありましたが、いつも食べている納豆ご飯と同じ味でした。

食べ終わったあと、罪悪感にさいなまれつつ、数分間茫然としていました。おおっ、何と「ずぼら」なことをしてしまったんだろう、私という人間は何と「ずぼら」なんだろうと自責の念にかられておりました。それからしばらくの間このことが忘れられずにいましたが、ある時、「そういえば、学生時代には小さいアルミの鍋でインスタントラーメンを作って、どんぶりにも移さずにそのまま食べていたんだっけ」ということを思い出しました。

そうか、私は今、「ずぼら」になった訳ではなく、昔から、「ずぼら」だったんだと気付いてから妙に気が楽になりました。それからというもの納豆ご飯はこの方式でしか食べられなくなってしまったのであります。どうですか、みなさん。是非この食べ方を試してみて下さい。背徳の味覚が味わえますよ。

「ずぼら」について考えてみますと、私はもう数年前からシャンプーで頭も顔も体も洗っていたのでした。昔はきちんと頭はシャンプーで、顔と体は石けんで洗っていたのですが、いつの間にか今のスタイルになっていることに気付きました。やっぱり私は筋金入りの「ずぼら」なのでしょうか。
否。私が筋金入りの「ずぼら」だとしても、もっと上をいく人々がいます。私が受験浪人時代のことです。私と同じ下宿にいた三浪の林さんは、同じパンツを三日間はき続けます。すごいのは裏がえしてさらに三日間はいたあとそのままゴミ箱に捨ててしまうのです。当時の私の常識でいえば、パンツを捨てるなどということは、恐れ多くてとてもできることなどではありませんでした。さすが、医学部志望だけあって常識がないなあと感じたものです。

さらに、私と同じ一浪の前田君は、ベッドで何でもすませてしまうという怪物でした。マンガを読むのもベッドの中、勉強するのもベッドの中です。数学の問題もベッドの中で解くというから恐れ入りました。ですから、前田君はベッドで生活できるように工夫をこらしていました。その工夫というのは、かけ布団にパンスト(パンティストッキングとも言います。おおっ、恥ずかしい)を縫い付けてパンストをベッドの下で結んでズリ落ちないようにしていたのであります。さすが、東大志望だけあって非常識のかたまりだなぁと感じたものです。

このように考えてみますと、私だけが「ずぼら」な訳ではなくて、「ずぼら」な奴は他にもいるのではないでしょうか。いや、他にもいる程度ではなくかなりの確立で存在するとも思えてきます。それは、例えば電化製品などを見れば一目瞭然です。掃除機、洗濯機、食器洗い機。今はやりのオール電化というのも、セールスの殺し文句は「さっとひとふき」。紙おむつなどは、昔、林さんがやっていたことを赤ちゃんに応用したまでのことです。

レトルトカレーも、自動車も、クールビズも、かつおぶしパックも、自動販売機も、電子メールも、すべて「ずぼら」者がいたから発明され、進化してきたと言っても過言ではありません。確かにこれらの発明は一握りの天才が作り上げてきたものですが、その開発の背後には、根っからの「ずぼら」者の存在があったればこその発明といえます。この愛すべき「ずぼら」者たちは、社会の底辺から文明の進化を支えてきた背徳の功労者であると言えます。

よかったですね。私も皆さんも根っからの「ずぼら」者で。
でも、私は、初七日を葬式と一緒にやっちゃうのと、カレーを作った器にご飯を入れて食べるのはやめていただきたいと切に願う、偏屈な「ずぼら」者なのです。

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2007年11月30日 15:17に投稿されたエントリーのページです。

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