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卒業式祝辞

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みなさん、こんにちは。いかがお過ごしでしょうか。
2月は寒い日が多かったのに、3月の声をきいたとたんに暖かくなってきました。もう、春ですね。


さて今回は、私がPTA会長をしている、韮山高校の卒業式での祝辞を掲載したいと思います。自分ではこの原稿、大変気に入っているのですが、ご来場の皆様が、万一、私の話をちゃんと聞いてない可能性もありますので、ここに掲載させて頂きます。従って、これは決して手抜きではありませんので、念のため。


「みなさん、こんにちは。PTA会長の森と申します。三年生の皆さん、本日は卒業おめでとうございます。私からは、皆さんに三つの言葉を紹介して、お祝いの挨拶といたします。


まず、最初は『5000時間』という言葉です。5000時間というのは専門家になるための時間です。専門家になるためには、5000時間の集中的訓練が必要だということです。東京大学教授などを歴任された野口悠紀雄さんは、外国語を支障なく使えるようになるために必要な勉強時間は、4000時間から5000時間と述べています。また、将棋の米長邦雄さんは、プロになるには5000時間の集中的訓練が必要だ、と言っています。


では、この5000時間というボリュームはどの程度のものでしょうか。一日10時間。土曜日、日曜日以外は毎日勉強するとして、一年間で大体250日。そうすると、一年間で2500時間。それを二年間続ける、ということです。『5000時間』。君たちが、『よおし、一丁専門家になってやる!』と決心したときのために、この言葉を贈ります。


二つ目は『深海に生きる魚族のように、自らが燃えなければ何処にも光はない』という言葉です。


これは、沼津出身の明石海人という人の言葉です。海人は、教師となり二人の子供をもうけますが、24歳のこれからというとき、当時不治の病と恐れられた、ハンセン病をわずらいます。それからは、故郷を捨て、名前を隠し、ひとり隔離されて闘病生活を送り、37歳でその短い生涯を閉じました。これは、そのときに書いた歌集『白描』の序文にある言葉です。深海はまっくら闇です。どこにも光はありません。ですから、そこに棲む魚は、何もしないでいると、何者にも気づかれることなく、その一生を終えることになります。


このことは、私たちにも当てはまります。自分から動かないで、人が何かしてくれるのを待つだけでは、何事も起こらないし、誰も気づいてさえくれません。希望というのは、自分の内面にあるエネルギーを自分自身で燃やしたときに、はじめて見えてくるものです。『深海に生きる魚族のように、自らが燃えなければ何処にも光はない』。君たちが、ひとりぼっちで、希望を見失いかけたときのために、この言葉を贈ります。


三つ目は『粗にして野だが卑ではない』という言葉です。これは、西伊豆、松崎出身の石田禮助さんの言葉です。石田さんは、三井物産に就職し、35年間の在職中28年間海外で勤務し、代表取締役まで勤めた国際人です。その後、国鉄総裁に就任しますが、これは、国会での総裁就任挨拶のときの言葉です。

『粗にして野だが卑ではない』の、粗とは粗雑でおおざっぱ、あらけずりということです。野(や)とは野育ち、田舎者ということ。卑ではないとは、卑怯なことはしない、卑屈な人間ではない、ということです。私は、韮山高校のことを想うとき、いつもこの言葉が胸に去来します。校訓『忍』の精神。『文武両道』の生き方。これらが、130年の時をこえて、卑屈になるな、正々堂々と生きろ、と語りかけています。

確かに、韮山高校は、田舎の不便な場所にあります。しかし、このすばらしい自然環境の中で、君たちが授かった教えは、長い伝統に磨かれた一流のものです。『粗にして野だが卑ではない』。君たちが、落ち込んで、劣等感にさいなまれたときのために、この言葉を贈ります。

最後になりましたが、校長先生をはじめ先生方・職員の皆様方。皆様の言動を間近に拝見し、その熱心さに頭の下がることがたびたびありました。厳しくも愛情を持って育てて頂いた生徒達は、本当に幸せだったと思います。ありがとうございました。

後援会・同窓会の皆様。皆様のお陰で、生徒達はこのように快適な学習環境のなかで、学校生活をおくることが出来ました。誠にありがとうございます。

保護者の皆様。いよいよ親離れの時が来ました。そして、それは同時に、子離れの時でもあります。寂しくなります。これからは、子供達の成長を少し離れた位置から見守ってゆきましょう。

本日は、ご卒業、誠におめでとうございます。」

いやぁ、緊張しました。普段、いい加減な人間が真面目なことを言おうとすると、非常に緊張するということが良くわかりました。これで私も生徒達と一緒に卒業できます。よかった、よかった。そうだ、誰か、私にも卒業証書を下さいませ。

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2008年3月21日 14:44に投稿されたエントリーのページです。

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